特定技能の「素形材産業」分野は最大5年間、将来的にはそれ以上働くことができる可能性があり、多くの企業が注目しています。
素形材産業は製造業の中でもとりわけ技術や経験が必要で、ある程度の仕事ができるようになるまでに時間が必要ですが、とにかく人手が足りません。
経済産業省が製造業を調査したところ、94%以上の大企業・中小 企業において人不足が顕在化しており、32%の企業は、「ビジネスにも影響が出ている」と回答しています。
今回はそんな特定技能の素形材産業分野についての現状やミャンマー人が取得する方法について詳しく解説します。
特定技能「素形材産業」とは
素形材産業とは、素形材(金属などの素材に熱や圧を加えることで形が与えられた部品や部材のこと)に形状を変えたり加工したりする産業のことです。
管轄しているのは経済産業省で、5年間の受け入れ予定人数は21,500人です。雇用は直接雇用のみで派遣は不可能です。
経済産業省が管轄している製造3分野には素形材産業の他に電気・電子情報関連産業、産業機械製造業があります。
素形材産業の業種
素形材産業の対象となる業種は以下の13業務あります。
①鋳造
②鍛造
③ダイカスト
④機械加工
⑤金属プレス加工
⑥工場板金
⑦めっき
⑧アルミニウム陽極酸化処理
⑨仕上げ
⑩機械検査
⑪機械保全
⑫塗装
⑬溶接
素形材産業の費用相場
給与は同職種に従事する日本人と同等、もしくはそれ以上とされています。これに加えて在留資格申請費用、登録支援機関への支援委託料などが平均で年間50万円ほどです。
もちろん採用ルートなど様々な状況によって相場は変わります。詳しくは「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。
特定技能「素形材産業」を受け入れるために企業がするべきこと
特定技能の「素形材産業」を取得しているミャンマー人を受け入れるためには、次の二つが必要となります。
- 日本標準産業分類に掲げる産業を行っている
- 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に加入している
ミャンマー人が特定技能「素形材産業」を取得する2つの方法
ミャンマー人が特定技能「素形材産業」を取得するためには、次の2つのうちどちらかが必要です。
- 特定技能評価試験と日本語評価試験に合格する
- 技能実習2号から移行する
特定技能評価試験と、日本語評価試験に合格すれば日本で技能実習の経験がなくても、すぐ日本で働くことができます。
特定技能評価試験
素形材産業では、製造分野特定技能1号評価試験19業種の中の13業務です。学科試験(100点満点中65点以上で合格)と実施試験(100点満点中60点以上で合格)があります。
①鋳造
②鍛造
③ダイカスト
④機械加工
⑤金属プレス加工
⑥工場板金
⑦めっき
⑧アルミニウム陽極酸化処理
⑨仕上げ
⑩機械検査
⑪機械保全
⑫塗装
⑬溶接
これらの分野について基本的な知識、技術、実務能力が問われる試験内容となっていますので、合格できる人は現場で即戦力として働けます。
日本語評価試験
日本語評価試験として「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験のN4以上」に合格する必要があります。
この試験を合格する外国人はゆっくりであれば日常会話を聞き取り話すことができ、また基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な話題の文章を読んで理解することができます。
それで素形材産業に関する作業内容や基本的な指示、あるいは他のコミュニケーションなど仕事に関わる日本語能力はすでに持っています。
留学生ですでに日本に来ているミャンマー人がいるなら、語学力はN4以上持っている人がほとんどですのでこの部分は問題ないでしょう。
技能実習「機械・金属関係」として日本で3年働いて技能実習2号を修了すると、「技能実習3号」としてさらに2年か「特定技能」としてさらに5年働くことができます。
特定技能に関係する技能実習は次の12業種です。
①鋳造 (鋳鉄鋳物鋳造、非鉄金属鋳物鋳造)
②鍛造 (ハンマ型鋳造、プレス型鋳造)
③ダイカスト(ホットチャンバダイカスト、コールドチャンバダイカスト)
④機械加工(普通旋盤、フライス盤、数値制御旋盤)
⑤金属プレス加工(金属プレス)
⑥鉄工(構造物鉄工)
⑦工場板金(機械板金)
⑧めっき(電気めっき、溶融亜鉛めっき)
⑨アルミニウム陽極酸化処理(陽極酸化処理)
⑩仕上げ(治工具仕上げ、金型仕上げ、機械組立て仕上げ)
⑪機械検査(機械検査)
⑫機械保全(機械系保全)
技能実習2号、あるいは3号を修了してミャンマーにすでに帰国している人が、再び特定技能として働きたいと望む方もいます。
まとめ
今回は特定技能「素形材産業」について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
特定技能14種はどれも深刻な人手不足となっていますが、素形材産業はとりわけ技術、経験、知識が必要となる分野です。
特定技能1号は最大で5年働くことができますし、今後検討されている特定技能2号に移行できるようになれば、事実上本人が望む限り働くことができます。
「素形材産業」は日本のものづくりを支える大切な産業ですので、もしあなたの会社が人手不足で悩んでいるなら「技能実習」あるいは「特定技能」制度を活用してみるのはいかがでしょうか。
SMM(シェエマンダラーメイサービス株式会社)は「技能実習」も「特定技能」もどちらもお手伝いできますので、まずは気軽に「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。