日本は世界の造船業を支えていて、実に現在世界の50%以上の船に日本の舶用機械が使われていますが、今の状況では特定技能とどう向き合うかが重要となってくるといっても過言ではありません。
造船・舶用工業の国内における生産拠点は瀬戸内や九州地域などほとんどが地方圏に存在していますので、若者の確保にとても苦労しているからです。
そうした状況の中で14業種ある特定技能1号に加えて、造船・舶用工業は現在のところたった2業種しかない特定技能2号の1つにも指定されています。
特定技能1号なら最大5年間、特定技能2号なら在留期限なしで家族妻同可能なので、安定した人材の確保が可能になります。
今回は特定技能の造船・舶用工業分野についての現状やミャンマー人が取得する方法について詳しく解説します。
特定技能「造船・舶用工業」とは
造船業とは船を作る仕事で、・舶用工業とは船舶に搭載するエンジン、プロペラ、機械等を製造もしくは供給する産業のことです。
管轄しているのは国土交通省で、5年間の受け入れ予定人数は最大で13,000人です。雇用は直接雇用のみで派遣は不可能です。
国土交通省が管轄している5分野には造船・舶用工業分野の他に建設業、自動車整備分野、航空分野、宿泊分野があります。
造船・舶用工業の費用相場
給与は同職種に従事する日本人と同等、もしくはそれ以上とされています。これに加えて在留資格申請費用、登録支援機関への支援委託料などが平均で年間50万円ほどです。
もちろん採用ルートなど様々な状況によって相場は変わります。詳しくは「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。
造船・舶用工業の業種
造船・舶用工業の対象となる業種は以下の6業務あります。
- 溶接(手溶接、半自動溶接)
- 塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)
- 鉄工(構造物鉄工作業)
- 仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業)
- 機械加工(普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業)
- 電気機器組立て(回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業)
溶接なら特定技能2号に移行可能
造船・舶用工業は溶接のみ、次の条件にかなえば「熟練した技能を有する外国人労働者」とみなされ特定技能2号が取得できます。
・「造船・舶用工業分野特定技能2号評価試験」もしくは技能検定1級に合格
・造船・舶用工業において複数の作業員を指揮・命令・ 管理する監督者としての実務経験を2年以上有する
現在は溶接のみ試験を作成予定ですが、今後他の分野も増える可能性は十分にあります。
特定技能「建設」を受け入れるために企業がするべきこと
特定技能の「建設」を取得しているミャンマー人を受け入れるためには、次の点に注意してください。
- 国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協議会」の構成員となること
- 特定技能協議会に対し,必要な協力を行うこと。
- 国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し,必要な協力を行うこと
- 造船法に基づき造船業の届出をした者,小型船造船業法に基づき小型船造船業の登録を受けている者その他の造船・舶用工業分野に係る事業を営む者(造船・舶用工業事業者)であること
ミャンマー人が特定技能「造船・舶用工業」を取得する2つの方法
ミャンマー人が特定技能「造船・舶用工業」を取得するためには、次の2つの方法があります。
- 特定技能評価試験と日本語評価試験に合格する
- 技能実習2号から移行する
①特定技能評価試験と日本語評価試験に合格する
特定技能評価試験と、日本語評価試験に合格すれば日本で技能実習の経験がなくても、すぐ日本で働くことができます。
特定技能評価試験
ミャンマー国内では残念ながら試験は行われておらず、新型コロナウイルスの影響により、今後も見通しがたっていない状況ですので日本国内で受ける必要があります
造船・舶用工業では、製造分野特定技能1号評価試験6業務です。学科試験(100点満点中65点以上で合格)と実施試験(100点満点中60点以上で合格)があります。
① 溶接
② 塗装
③ 鉄工
④ 仕上げ
⑤ 機械加工
⑥ 電気機器組立て
日本語評価試験
日本語評価試験として「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験のN4以上」に合格する必要があります。
この試験を合格する外国人はゆっくりであれば日常会話を聞き取り話すことができ、また基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な話題の文章を読んで理解することができます。
造船・舶用工業に関わる指示など基本的な作業についてのコミュニケーションは問題なく行うことができます。
留学生ですでに日本に来ているなら、語学力はN4以上持っている人がほとんどですので問題はありません。
②日本で技能実習2号及び3号から移行する
技能実習「機械・金属関係」で働いたミャンマー人は、3年経ち技能実習2号を修了すると、技能実習3号か特定技能「造船・舶用工業」としてさらに5年間働くことができます。
技能実習で関係するのは次の6業種です。
- 溶接(手溶接、半自動溶接)
- 塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)
- 鉄工(構造物鉄工作業)
- 仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業)
- 機械加工(普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業)
- 電気機器組立て(回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業)
最後には試験がありますが内容は優しいため、ほとんどの実習生が合格します。
まとめ
今回は特定技能「造船・舶用工業」について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
特定技能14種はどれも深刻な人手不足となっていますが、造船・舶用工業は溶接のみとはいえ特定技能2号に移行できる数少ない分野となっています。
特定技能2号に移行できるようになれば、本人が望む限りいつまでも働くことができ、家族も呼ぶことができます。
日本の「造船・舶用工業」は世界トップレベルの技術を誇りますので、技能実習、或いは特定技能制度を活用して外国人の手を借りてこの貴重な仕事を存続させましょう。
SMM(シェエマンダラーメイサービス株式会社)は「技能実習」も「特定技能」もどちらもお手伝いできますので、まずは気軽に「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。