少子化に加えて若い人たちの間で自動車離れが加速している日本で、特定技能「自動車整備業」分野に多くの企業が注目しています。
一昔前はごく一部の富裕層しか所有していなかったミャンマーですが、今では首都ヤンゴンを中心に車が急速に日常化しています。
ミャンマーの道路ではモダンな車が次々と登場する一方で、旧型自動車が依然としてたくさん走っていることはミャンマーの自動車整備技術の精巧さゆえのものであることを物語っています。
今回は特定技能の自動車整備業分野についての現状やミャンマー人が取得する方法について詳しく解説します。
特定技能「自動車整備業」とは
自動車整備業の業務内容は、自動車の日常・定期整備、分解整備です。
管轄しているのは国土交通省で、5年間の受け入れ予定人数は最大で7,000人です。雇用は直接雇用のみで派遣は不可能です。
国土交通省が管轄している5分野には自動車整備業分野の他に建設業、造船・舶用工業分野、航空分野、宿泊分野があります。
自動車整備業の費用相場
給与は同職種に従事する日本人と同等、もしくはそれ以上とされています。これに加えて在留資格申請費用、登録支援機関への支援委託料などが平均で年間50万円ほどです。
もちろん採用ルートなど様々な状況によって相場は変わります。詳しくは「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。
自動車整備業で任せることができる業務
特定技能の自動車整備業は、3級自動車整備士と同水準といわれている次の2分野を一人で適切に行うことができます。
❶定期点検整備
・ステアリング装置
・ブレーキ装置
・走行装置
・動力伝達装置
・電気装置
・エンジン
・サスペンション
・ばい煙・悪臭のあるガス・有毒ガスなどの発散防止装置
❷分解整備
• 原動機
• 動力伝達装置(クラッチ、トランスミッション、プロペラ・シャフト、 ディファレンシャル)
• 走行装置(フロン・トアクスル、リア・アクスル・シャフト等)
• かじ取り装置(ギヤボックス、リンク装置等)
• 制動装置(マスタシリンダ、ブレーキ・チャンバ、バルブ類等)
• 緩衝装置(シャシばね)
• 連結装置(トレーラ・ヒッチ、ボール・カプラ)
特定技能「自動車整備業」を受け入れるために企業がするべきこと
特定技能の「自動車整備業」を取得しているミャンマー人を受け入れるためには、次の点に注意してください。
- 地方運輸局長の認証を受けていること
- 「自動車整備分野特定技能協議会」 の構成員になること
- 同協議会に必要な協力を行うこと
ミャンマー人が特定技能「自動車整備業」を取得する2つの方法
ミャンマー人が特定技能「自動車整備業」を取得するためには、次の2つの方法があります。
- 特定技能評価試験と日本語評価試験に合格する
- 技能実習2号から移行する
①特定技能評価試験と日本語評価試験に合格する
特定技能評価試験と、日本語評価試験に合格すれば日本で技能実習の経験がなくてもすぐ日本で働くことができます。
特定技能評価試験
自動車整備業では、製造分野特定技能1号評価試験19業種の中の13業務です。学科試験(100点満点中65点以上で合格)と実施試験(100点満点中60点以上で合格)があります。
学科試験の試験科目
①構造、機能及び取扱法に関する初等知識
②点検、修理及び調整に関する初等知識
③整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識
④材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
実技試験の試験科目
①簡単な基本工作
②分解、組立て、簡単な点検及び調整
③簡単な修理
④簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
日本語評価試験
日本語評価試験として「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験のN4以上」に合格する必要があります。
この試験を合格する外国人はゆっくりであれば日常会話を聞き取り話すことができ、また基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な話題の文章を読んで理解することができます。
それで自動車整備士として必要なコミュニケーションは問題なく行うことができるレベルということができます。
留学生ですでに日本に来ているなら、語学力はN4以上持っている人がほとんどですので問題はありません。
②日本で技能実習2号及び3号から移行する
技能実習「その他」の「自動車整備」で働いた経験のあるミャンマー人は、3年経ち技能実習2号を修了すると、技能実習3号か特定技能「造船・舶用工業」としてさらに5年間働くことができます。
最後には試験がありますが内容は優しいため、ほとんどの実習生が合格します。
まとめ
今回は特定技能「自動車整備業」について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
自動車整備業は深刻な人手不足となっていますが、ミャンマーでは若くて能力のある働き手がたくさんいます。
特定技能2号は今後も計画にはありませんが、特定技能1号も最大で5年間働くことができます。
日本の自動車は世界トップレベルですが、とにかく人手が足りませんので特定技能制度あるいは技能実習制度を活用しましょう。
SMM(シェエマンダラーメイサービス株式会社)は「技能実習」も「特定技能」もどちらもお手伝いできますので、まずは気軽に「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。