「特定技能は派遣で雇うことはできるの?」
「直接雇用するまででもないんだけど特定技能外国人を雇いたい…」
外国人を始めて受け入れる企業や繁忙期・閑散期がある仕事では、派遣という形態なら雇用してみたいと思うかもしれません。
いきなり直接雇用は難しいのでまず派遣で様子見をしたいという方もいらっしゃいます。
しかし結論から言いますと、特定技能はフルタイムの直接雇用が基本です。
なぜなら特定技能は深刻な人手不足に対応するために即戦力となる外国人財を受け入れるのが目的なので、週5日30時間以上の勤務で日本人と同等以上の給料が求められているからです。
しかし職種によっては派遣が認められているものもあり、上手に利用すれ特定技能1号だけで10年近くの雇用も可能になります。
今回は特定技能の派遣が認められている職種と、派遣制度の上手な活用方法を紹介します。
特定技能は「農業」と「漁業」分野のみ派遣が可能

特定技能全14業種のうち、派遣が認められているのは「農業」と「漁業」分野のみです。
なぜならこの2分野は季節労働でしかも需要が大きく、繁忙期には人が全然足らないのにシーズンオフになると今度は仕事が全くなくなるという状況が起こり得るからです。
この極端な状況に対応するために、派遣形態を認める事が必要不可欠と判断されています。それでその他12業種は常に仕事があるので、今後も派遣を認められることはないと考えられます。
派遣でも直接雇用でも『通算』5年
特定技能1号は通算で5年ですので、次のように繁忙期のみ仕事すればそれだけ長く雇用する事ができます。

引用元:水産庁「特定技能外国人材の受入れ制度について(漁業分野)」より
例1のように5年継続して働くことも可能ですし、例3や例4のように繁忙期のみ派遣として雇用すれば10年近くの雇用も可能となります。
また例2のように 2つの派遣会社と契約して、2人の特定技能外国人を交互に働いてもらうこともできます。
派遣から正社員雇用も可能
派遣元の人材会社から紹介を受ければ、気に入った外国人労働者を正社員として雇用することも可能です。
特定技能は技能実習と違い、同一職種内であれば転職する事ができるという特徴がありますので雇用先である派遣会社からあなたの企業に転職するのは、法律上問題ありません。
どうすれば派遣を受け入れるか
「農業」と「漁業」分野なら、①企業が直接特定技能外国人材を受け入れ機関として雇用する場合と②派遣事業者を受け入れ機関として特定技能外国人を派遣してもらうという2つの方法があります。

このように通常の日本人の派遣と同様、特定技能外国人は雇用契約を派遣会社と結び、企業には労働を提供するという形になります。
派遣を受け入れるための条件
法務省によりますと派遣を受け入れるためには、派遣先であるあなたの企業が次の全てに該当することが求められています。
i 労働,社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること。
ii 過去1年以内に,特定技能外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させていないこと。
iii 過去1年以内に,当該機関の責めに帰すべき事由により行方不明の外国人を発生させていないこと。
iv 刑罰法令違反による罰則を受けていないことなどの欠格事由に該当しないこと。
引用元:法務省「特定技能制度に関するQ&A 」より
決して難しい条件ではありませんが、もし上記のような違反となる行為していたことに気づいたら派遣を受け入れる前に改善、もしくは該当する期間まで待っていなければなりません。
加えて,特定技能外国人を派遣する派遣元もどの会社でもできるというわけではなく、次のいずかに該当することが求められます。
1 当該特定産業分野に係る業務又はこれに関連する業務を行っている個人又は団体であること。
2 地方公共団体又は前記1に掲げる個人又は団体が資本金の過半数を出資していること。
3 地方公共団体の職員又は前記1に掲げる個人又は団体若しくはその役員もしくは職員が役員であること。その他地方公共団体又は前記1に掲げる個人又は団体が業務執行に実質的に関与していると認められること。
4 外国人が派遣先において従事する業務の属する分野が農業である場合にあっては,国家戦略特別区域法第16条の5第1項に規定する特定機関であること。
引用元:法務省「特定技能制度に関するQ&A 」より
まとめ
今回は特定技能の派遣について解説しましたがいかがだったでしょうか。
派遣が認められている職種は限定されていますが、もしあなたの企業が季節業なら直接雇用よりも派遣で雇ったほうがいいかもしれません。
SMM(シェエマンダラーメイサービス株式会社)は直接雇用の方がいいか派遣の方がいいか相談も承っています。まずは気軽に「お問合せフォーム」にてお問い合わせください。
・派遣が認められているのは「農業」と「漁業」分野のみ
・雇用期間は『通算』5年
・派遣から正社員として雇用することも可能
・派遣元である企業は労働法等の規定を遵守している事が求められる